神経管閉鎖障害はなぜ起こるのか – 葉酸との関係性について –

妊娠を希望するならぜひ飲んでいてほしい葉酸



「妊活」という言葉で検索したり、タグってみると、葉酸の摂取を推奨している文をよく拝見しませんか?




葉酸や神経管閉鎖障害について、すでにある程度の知識を理解してきている方も多いかもしれませんね。





今回は、神経管閉鎖障害という障害についての概要と、その障害を予防するために必要となってくる葉酸の摂取について説明していきたいと思います。






神経管閉鎖障害について

神経管閉鎖障害とは

神経管とは、脳や脊髄などの中枢神経と言われる重要な神経のもとです。




中枢神経…
となった方、大丈夫。医療従事者くらいしか聞かない言葉ですよ。






要は

脳や脊髄は赤ちゃんの命に欠かせない重要な部分のこと







その重要な神経管がうまく閉じなくなる障害が神経管閉鎖障害



脳や脊椎の神経管の癒合が不十分となり、異常をきたすということです






具体的に疾患名をお伝えすると、


・二分脊椎
・脳瘤(脳ヘルニア)
・無脳症




       

疾患別に説明します。


二分脊椎

脊柱管の一部の形成不全により、背骨の中にあるべき脊髄が外に出ている、またはそれに近い状態のことを言います。産まれたときに、腰部の中央に腫瘤があるものが最も多いようです。


神経の癒着や損傷が生じてしまい、様々な神経障害が出現する可能性があります。症状は軽度のものから重度のものまでと様々なようです。



個人によって症状がさまざまなので、一概に語れません。



脳瘤(のうりゅう)

脳瘤とは、頭蓋骨の一部が欠損し、頭蓋骨の中身が頭蓋骨の外にこぶのように出た状態。


外から見ると丸くて柔らかい瘤のように見えます。





髄膜瘤といって、頭蓋骨の穴から飛び出てきたものが、脳を覆う膜と脳脊髄液のみである場合と

髄膜脳瘤といって、頭蓋骨の穴から飛び出てきたものの中に脳の組織が含まれる場合があります。


脳瘤は、後頭部から頭頂部にできることが多いようですが、まれに鼻の奥に出来ることもあります。



無脳症

大脳の部分が全くない、もしくは欠損して小さな塊に萎縮した状態のことを言います。


生まれつき頭の一部が不自然に凹んでいたり、皮膚が正常に形成されていなかったりします。




お腹の赤ちゃんの脳が正常ではない状況です。

ほとんどのケースで死産になったり、生まれて間もなく亡くなります。






ただ、例外もあるんですよ

人間の生命力は本当に不思議で、ありえないことが起こるのが人間。


アメリカでは、無脳症で生まれてきた赤ちゃんが、5歳になるまで生きた例もあります。



ただ愛する息子が5歳で亡くなる、ご両親のことを思うと想像もできないつらさ、苦しみ、悲しみでしょう。






今の生活を振り返り、私はいま、当たり前のように幸せな日々が続いている。その幸せに日々感謝して生きないといけないな、と気づかせてもらいました。



障害を防ぐためには

葉酸を摂取すること

葉酸は、赤血球の生産を助けたり、たんぱく質や細胞をつくる時に必要なDNAやRMAなどの核酸を合成しており、


赤血球の細胞形成を助けたり、細胞分裂が活発である胎児の正常な発育に役立ったりするなどの大切な働きをしています。





神経管閉鎖障害は赤ちゃんの命に直結する、恐ろしい障害です。



防げるものは防ぎたい!!!



現代では、国(厚生労働省)が、先ほどから述べている神経管閉鎖障害を防ぐためには、葉酸の摂取が重要と述べています。





厚生労働省:妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針~妊娠前から、健康なからだづくりを~解説要領にて以下のように述べられていました。

多くの場合、妊娠を知るのは神経管ができる時期よりも遅いため、妊娠に気づく前の段階から葉酸を十分に摂取していることが大切です。この時期に葉酸のサプリメントを摂取することにより、神経管閉鎖障害のリスクが低減することが数多くの研究で明らかになっています。神経管閉鎖障害を予防するためには、通常の食事に加えて、サプリメントや食品中に強化される葉酸として 400μg/日摂取することが望まれると日本人の食事摂取基準で示されています(表 4)。

000776926.pdf (mhlw.go.jp)



赤ちゃんの命に直結する、神経管閉鎖障害を予防できるのが葉酸であると国が言っているのです。



たまに見かけるんですよ。
葉酸は摂取しても意味がないとか、神経管閉鎖障害は比較的に稀だから気にしなくてもいいとか…




確かに論文を読んでみると、日本が推奨している量では神経管閉鎖障害は防げていないといった一文も拝見しました。






日本の葉酸摂取推奨量が低いのかは疑問ですが、世界的にも妊娠前からの葉酸摂取は非常に重要であることが述べられていることは事実です。





世界的にも葉酸摂取が重要と述べられているのに、「神経管閉鎖障害は稀な障害だから、気にせず生活すればいい」だなんてあまりにも無責任なことが言われています。









わたしは、その人に言ってやりたい







「仮に、あなたのその発言を信じて葉酸摂取を気にせず生活した女性が、神経管閉鎖障害を患った赤ちゃんを授かったらどう責任をとりますか。」





「あなた自身あるいはあなたの大切なパートナーのお腹にいる赤ちゃんが神経管閉鎖障害になったらどうしますか。」








確実に予防できるかはわけではないですけど、葉酸の摂取が障害の予防となると言われている現代。



なんなら国も健康や病気のプロフェッショナルである医師も、この葉酸の重要性を述べている状況で、「葉酸の摂取は意味がない」というその根拠を教えていただきたいなと思う次第です。


まとめ


後半すこし個人的な意見の主張が強かったですが、神経管閉鎖障害は赤ちゃんにとって命に直結する大変怖い障害です。


その神経管閉鎖障害は葉酸の摂取で予防できると言われています。


予防できるものは、予防することが重要です。


葉酸が多く含まれている食材を摂取する、食事だけでは、摂取量が満たされない場合は、サプリメント等をうまく利用する。


このことが、障害を防ぐために重要な行動と言えます。



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